12.23 Christmas DinnerShow

'94 クリスマスディナーショー

1994年(平成6年)12月23日 第一ホテル東京ベイ クラウンボールルームにて
  • チャイコフスキーのX'mas
  • 私鉄沿線
  • 甘い生活
  • 序曲・愛
  • 19:00の街
  • スターダスト
  • ムーンライトセレナーデ
  • サイレントナイト
  • ホワイトクリスマス
  • 煙が目にしみる
  • スマイルアゲイン
  • 愛のラルゴ
  • ALL OF ME
  • 歌ある限り

(ファンクラブ会報誌 GORO CLUB Vol.77 より)

オープニングは♪ チャイコフスキーのⅩ'mas ♪
黒のタキシードに身を包み、野口五郎の登場です。

五郎「皆さま、こんばんは。野口五郎です。ようこそお越し下さいました。短い時間ですが僕も皆さまと一緒に楽しませて頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。」

五郎「改めてこんばんは、野口五郎です。今日はようこそおいで下さいまして、ありがとうございます。今日はクリスマスの雰囲気を皆さんとご一緒に楽しませて頂きたいと思います。クリスマスと言いますとやはり、最初に思い出すのがプレゼントです。サンタクロースのプレゼント。僕も小さい頃は枕元に靴下を置いてたものです。ところが寝ようにもなかなか、寝つかれない。、急性不眠症にかかってしまう訳です、子供のくせに。まったくそこのところは子供ですから、やっと寝まして朝起きて靴下を見ますと、デコボコになってる訳です。中を見るとチョコレートやキャンディーが入ってたりしまして、その嬉しかった事を覚えています。

五郎「小さい頃、両親に聞かれました。クリスマスのプレゼントは何が欲しい? 僕は妹が欲しいと言いました。その晩、かすかな地震があったのを、今でもはっきり覚えております。」(笑) 残念ながら妹はできなかったようですが・・・。

五郎「一人の少女が、朝起きて靴下を見ると何も入っていなかった。それを見たお母さんがこう言ったんです。きっとサンタクロースのおじさんは靴下の中に優しいまごころを入れて下さったのよ」貧乏な家庭の方は是非、これを使って頂きたいと思います」

五郎「僕も年が明けまして、来年になるとデビューして25周年になります。5才でデビューしてもう29才。??? 沢山のレコードを出してきましたけど、その中から何曲かピックアップして、皆様に聞いて頂きたいと思います。もし皆さんご存知の曲がありましたら、僕と一緒に大きな声を出して歌ったりせずに、静かに聞いていて下さい」

こんな調子で五郎さんの楽しいトークで始まり、会場の中は楽しそうな笑い声が響きます。

♪ 私鉄沿線 ~ 19:00の街 ♪

五郎「どうもありがとうございました。色々と地方に行ってますけど、下を一周くるっと周りますと両手に抱えきれない程のプレゼントをもらうんですが、今日はこんな感じで・・・・。モロゾフのチョコレートですか? ひとつのプレゼントをこれ程丁重に扱ったのは初めてです。」と、大事そうにスタッフにプレゼントを手渡す五郎さん。

五郎「この会場の皆さんと、僕との距離が近いものですから、歌ってる方も、なかなか照れるものでございまして、余り下の方から見上げられますと、僕の方もだんだんと下がっていく思いです。前の方は僕の鼻の穴しか見えないんじゃないかと(笑) ショーが終わった後、あ~っ、今日は北島三郎のショー良かった!なぁ~んてね。」(爆笑)

五郎「クリスマスというのは本当にまぁ、不可解な事がございます。もともとサンタクロースというのはセントニコラウスから始まってるのは事実ですが、サンタクロースが着てる洋服がなぜ赤と白なのだろうか? これを調べましたら本当につまんないんです。愕然としました。だから皆さんもご一緒に愕然としてください。(笑) 60年程前はまだ決まっていませんでした。ところがよくご存知のコカ・コーラ。ここの会社のカラーが赤と白でございまして、今から60年程前に、冬のキャンペーンでサンタクロースに赤と白の洋服を着せたんです。そこから始まり、ブームになって世界中に広がったと。それからサンタクロースは赤と白の洋服。こんなくだらない事なんです。非常につまらない。コカ・コーラが決めたんです。ペプシが決めた訳じゃないんです。ペプシが決めていたら、果たして何色になっていたでしょうか」

さて、五郎さんといえば幾つかの趣味があるのを、皆さんはもうご存知だと思います。楽器、スポーツではゴルフ。ゴルフと言えばハンデが只今、"6"という事ですが。

五郎「たいした数字ではないんですけど、ウソだと思うんだったら一度御殿場に問い合わせてみて下さい。」と、得意気な五郎さん。そんな五郎さんの一番の得意とされるポエム作り。そのポエムを今回も皆様に披露いたしました。

スターダスト ~ ムーンライトセレナーデ

五郎「ありがとうございました。私、本名を佐藤と申します。佐藤家では次男ですが、野口家では僕は五男だったと最近知りました。僕の上には一郎~四郎、そして弟には六郎、七郎、八郎がおりまして、一番大変なのは九郎(苦労)だと言っておりました。(笑) 今日、そんな兄弟達が遊びに来てくれました。ところが皆様の前に、顔を出すのはつらいという事で声だけで参加したいと言うので、ご紹介させて頂きます。」

 サイレントナイト

コーラスで披露してくれました。本当に素敵なハーモニーで、会場からは拍手喝采。目を閉じていると本当に野口家の兄弟が存在しているかの様でした。自宅スタジオで制作されたそうです。クリスマスに、こんな素敵なプレゼントをありがとう、といった心境でした。

五郎「今年一年を振り返る時期になってしまいましたが、さて、もしサンタクロースがいて、あなたに一つだけプレゼントをあげると言ったたら、何がほしいですか?」と、客席のお客様に質問です。
「子供です。」
五郎 「そんなのサンタじゃなくたって。別に・・。なんなら僕だって。ハハハ・・」の言葉には会場中が笑いの渦。そりゃ、そうですが五郎さん、そんな夢のない・・・・。
五郎「今日は2人でお越しですか?ご夫婦?」「いいえ、違います」の答えに、
五郎「じゃあ、どういうご関係で?」これにも皆さん大爆笑。
五郎「恋人ですか。確かに彼女にとって僕はこうして立っていると何でもない普通の男です。彼ほど輝いている人はいないと思いますが、でも何でもない僕でも今、こうして汗をかいているんです。普通だったらハンカチくらいは出してくれるんだけど。(笑) 今、彼女には彼しか目に映らないのでしょうね」ハンカチを差し出す彼女に、
五郎「あっ、ありがとうございます。別に要求した訳ではないんですが、申し訳けないです。」五郎さんにハンカチを使ってもらうなんてうらやましい。

五郎「しかしステージの上から歌っておりますと、どういうお客さんがいるか分からない。なかなか気がつかないですけど、だいたい目の前にいるお客さんで、今日は僕より少し若い女性が多いんだと思うんですが、下へ降りてきましてね、後ろへ行けば行くほど年齢が上がっていくもんですから、ドアを開けたら棺桶でも待ってるんじゃないかと、心配になってしまいました。(笑) この世の中、2.3年前から不況だといわれてきましたけど、お父さんの会社はいかがですか?」″絶好調です"と元気良く。
五郎「そうですか。絶好調の巨人の中畑も辞めましたからね。本当にそうなのか、私、背広の裏を見ればわかるんです。お~~っ、紳士服のコナカと書いてありますね(爆笑)。本当に今年もあと数日で終わりですが、新しく来る1995年が良い年だといいと思います。」

ホワイト・クリスマス ~ 煙が目にしみる 

五郎「今年はとても良いニュースがあった年だと思います。貴乃花が横綱になる事ができ、巨人は優勝いたしまして、個人的に非常に喜んでおります。反面、暗い・悲しいニュースもありました。例えば横浜の母子3人殺しの犯人が夫だったという話し、本当にいたたまれないですね。そしてピストル事件にバラバラ殺人。こういう事件に最近、私達が慣れっこになってるのではないかと感じるんです。あるゴミ置き場に人間の手首が出てきたそうなんですが、それを見ていた一人の主婦が「アラ、ヤダ、今日は生ゴミの日じゃないのに」と言ったそうですけど・・・。」(笑) 本当にそんな世の中になってしまう日が来るのでしょうか? ゾッ。

五郎「僕はといえば、来年から放送になりますNHKの大河ドラマです。吉宗役に西田さん、兄役に辰巳さんなんですが、年はまったく逆でして、楽屋では辰巳さんが僕に「野口さん宜しくお願いします」 反対に僕は西田さんに「西田さん、宜しくお願いします」なんて言ってるのに、ドラマでは西田さんを殴り、辰巳さんには怒られている訳ですからね。非常に複雑ですネ。 僕は4話から14話くらいで、早く死んじゃいます。理由がございまして、とてもおいしい役だったという事と、NHKの仕事を長くやりますと、ギャランティでいって私の事務所がやっていけないという事情がございます。(爆笑) もしカツラをつけた僕が画面に出て参りましたら、「五郎ちゃ~ん」と画面に向かって声をかけていただいたら、きっと周りの家族が心配すると思います。まっ、こんな世の中ですが、歌だけはせめて優しくありたいと思います。」

スマイルアゲイン

五郎「ありがとうございました。そろそろ皆様も忘年会が始っていると思います。忘年会が終れば、新しい年を迎え新年会が始まります。どうぞ飲み過ぎ・食べ過ぎには充分注意していただきたいと思います。そして、やって参ります1995年が皆様にとって良い年でありますよう、心からお祈りしたいと思います。どうもありがとうこざいました。」

愛のラルゴ ~ ALL OF ME ~ 歌ある限り

五郎「今日の素晴らしいお客様に、心より感謝したいと思います。」