06.17 帝劇公演 レ・ミゼラブル

帝劇公演「レ・ミゼラブル」

1987年(昭和62年)6月17日~10月30日

(ファンクラブ会報誌 GORO CLUB Vol.12より)

6月17日「レ・ミゼラブル」初日、大勢の各界の招待者の中、皇室から、皇太子ご夫妻と浩宮様がいらっしゃいました。2階席でご覧になり、惜しみない拍手を何度も出演者へ贈っていらっしゃいました。終演後、出演者の方々とお話しになり五郎くんとの会話をやや興奮気味の五郎くんから聞きました。

皇太子様 ご苦労様でした。
美智子様 ああ、マリウスさん、いい雰囲気でしたよ。
浩宮様  リハーサルはいかがでしたか?
GORO   わき合い合いと楽しくできました。
浩宮様  ミュージカルは何度ですか?
GORO   二度目です。
浩宮様  以前は何を?
GORO   ザ・ミュージックマンというものをやりました。
浩宮様  今日はとってもすばらしかったですよ。

以上です。もう少し美智子様ともお話ししたようでした。
初体験に少々あがってしまった五郎くんでした。

Q1 五郎さんの今の楽しみ、仕事以外は何ですか?
五郎 仕事以外の楽しみって今はありませんね。仕事が楽しいから一生懸命やってるし自分自身で毎回違うところに気持ちをおいているんです。マリウスの性格変えて少しづつやってみたり・・・そこがすごく楽しいネ、例えばエポニーヌが死んじゃう時なんていうのは、自分があの時エポニーヌにコゼットへ手紙を渡してくれって言わなければ、エポニーヌはこんな風にはならなかったのかなって気持ちがそっちにずーっと走ってくし、後、エポニーヌが死んだ時にアンジョルラスに対して「お前が焦ってこんな時に革命なんかやる必要なかったんだ、お前がこんな風に急いだからいけないんだ」と思うと、又そっちに気持ちが行くし。ジャベールがでてきた時に「お前が!」なんてジャベールのこと恨むとまた気持ちがそっちの方へ行くし。そういう意味で毎回気持ちを変えているから楽しいし、冒険ができる。すごくいい芝居の勉強してる。

Q2 舞台が終了したらやりたいことは?
五郎 ゴルフやりたいネ。もう4ヶ月以上やってないでしょ。とにかく広いところへ行きたい。

Q3 体重は何キロになりましたか?
五郎 舞台やる前に一生懸命、増やしたから70キロ近くあったけど、今は64キロ~65キロぐらい。ズボンなどは全部昔のはいてますよ。

Q4 舞台のある日は何食位召し上がるのですか?
五郎 2食~3食ですけど、食べやすいものを食べてます。あんまり入んないからネ。栄養からいったら摂ってないと思いますヨ。

Q5 開演の何分前に帝劇へ入るのですか?
五郎 出来るだけ早目に入ろうと思っています。少しでも長く楽屋にいたいから。焦ってやるのってやなんだよね。コンサートの時もそう、何をする時もステージとか舞台の雰囲気に早く自分が入り込みたい。これは昔から変ってない。

Q6 メイクは自分でするのですか? 顔に黒く塗るものはすぐ落ちるのですか?
五郎 これはパンケーキですから簡単に石鹸で落してます。

Q7 お客様の顔、目に入りますか?
五郎 お客さん目に入ったら痛いんじゃないか(笑いながら)いくら僕の目が大きくたってそこまではできない(大笑い)まあ、目に入んないネ、そんな(目に入った時)客観的になった時って、だいたい舞台がうまくいかない時。自分の気持ちが乗らない時ってお客さんが目に入っちゃう。でも、一生懸命自分をごまかしてるけど・・・。結果的にはノリが悪かったってあるでしょう。

Q8 汗かきの五郎さん、舞台ある度にどれ位、汗かきますか?
五郎 汗かきかなあ、普通だと思うんですけど。帝劇の僕の楽屋は5階にあり、9階に舞台の2倍ぐらいの広さのリハーサル室があってそこまで階段を走っていくわけ。そこを何周か走って、ストレッチしてバーベル上げて発声練習して・・・。そこでびっしょり汗かいちゃう。本番やる前に一回汗かいて、本番。飲み物の量がすごいですネェ。それでプロレスラーの友達で前田日明が蜂蜜付朝鮮人参をくれたわけ。これを毎日飲んでる。結構体にいい。それで今日は舞台が終ってから野球をやりに行こうという。このパワーはどこからでてくるのか。(大笑い)

Q9 タブルキャストの安崎求さんについての感想は?
五郎 一生懸命頑張ってやっていると思います。

Q10 コゼットの由貴ちゃんとはまさに「絵になるカップル」ですが仲良くやってますか?
五郎 非常に仲良くやっていまして性格も負けん気強いですからね、なかなかいいスよ。

Q11 アンコールは毎回いろいろな人と手をつないだり、肩を組んだりして出てきますが、あれは前もって打ち合わせをしているのですか?
五郎 あれは別に打ち合わせありません。今回誰が主役っていうのはなくて、群集ミュージカルなのでみんなが主役ですからネ。

Q12 鳳蘭さんは他の役をやるとしたら「ジャンパルジャン」か「ジャベール」か「コゼット」をやりたいそうですが、五郎さんだったらマリウス以外にどの役をやりたいですか?
五郎 (女性っぽく)コゼット!(由貴ちゃんをまねて)♪生きてパパ、生きるの♪「このノリで大丈夫、来年はコゼット」(笑)

Q13 マリウス以外の役で気に入った役とその理由は?
五郎 どの役も全部楽しいし、勉強になります。勉強になるからおもしろい。

Q14 出演中のドジ話とか?
五郎 う~んと、なかったかなぁ、あっ、エポエーヌが死ぬ時、エポ二ーヌをみんな担いでいく時に誰かが僕の足も一緒にもって行こうとして・・・(ふざけて笑いながら)バカヤローって奴がいたね。あッ、貴一だ!(彼はアンジョルラスのセカンドです)

Q15 日本でも最近ミュージカルが盛んで誰でも出演できるみたいな感じですが、五郎さんの意見を聞かせて下さい。
五郎 ま、僕なんかは新参者ですけどね。でも舞台とかすごく歴史があると思うんだけど「芝居」っていうものから、もっと「リアリズム」もっとリアリティのあるものに変わってきてると思うネ。たとえば昔は新劇の人たちなんかでも白ぬりして歌舞伎みたいにやってた。それはそれですごい良かったわけですよ、歴史の中で。だんだんもっと真心、心がそこになきゃいけないっていう、お芝居じゃなくて本人の心がいつもそこになきゃいけないっていう形に変わってきてると思う。そういうところが面白いですネ。

Q16 共演者の中で親しくなった方は?
五郎 そうですネェ、志賀さんと斉藤晴彦さんかな、仲がいいのは。

Q17 直径3mm位のワイヤレスマイクを頭につけているそうですが頭のどの辺につけているのですか?
五郎 女性かポニーテールするような黒いゴムがあるんですが、それを頭に巻きまして、それでヒモにマイクのコードを巻きつけて髪の毛の中からヒョコッと出しています。ただ汗が入ったりすると一発でマイクが飛びます。

Q17_1 そう言うことありましたか?
五郎 ありました。プレヴューの3日日です。舞台の前にマイクがあるんですけど、全然きかないですネ、ほとんど、でかい声を出してました。

Q18 今回「レ・ミゼラブル」をやって苦労したことは?
五郎 そうですネ、(思い出しながら)
(Q:あのバリケードから降ちるのはどうですか?)
あれは随分、腰を打ちまして結構苦しかったですネ。しっかり肉離れしましてテーピングしてやっています。別にあそこから飛びおりる必要もないのかもしれないけど、ただあそこで飛びおりることによってあの後、アンジョルラスが向こう側に降っていったりとか、みんなが死んで行く伏線につながるんじゃないかと。だから僕は重要に思っています。

Q19 誰にも人にいえないコンプレックス、悩み等ありますか?
五郎 今回、舞台で「レ・ミゼラブル」をやってても演技と思ってやっていないんです。全くその世界に入っちゃってるから、器用にやっているわけではないです、努力してますよ、だから疲れますネェ、夜「カフェソング」の夢をみてしまったりするという、おばけがでてきたりして・・・。(笑)

Q20 五郎さんは同じ系統の音楽を聴いているようですが、クラシックや現代音楽等を聴くことありますか? 又、興味ありますか?
五郎 好きですよ。決して聴かないわけしゃない。カラヤンとか聴いてますし。斉藤さんの楽屋で結構聴くし。EASTのオープニンクはワーグナー、博品館はボレロだったでしょう。

Q21 TVでドーラン焼けで肌が赤く感じたんですけど、舞台ともなればお化粧もかなり濃いと思います。日頃のスキンケアで注意されてる事はありますか?
五郎 「レ・ミゼゼラブル」に関してアンジョルラスとか他の人はすごい化粧、目なんかすごく書いてるしネ、僕はパンケーキを顔にぬるだけ。化粧は濃くありません。この間TV番組でた時にみんなは色黒いのに僕だけ真っ白、普通のドーランぬったら顔がおかしくなっちゃったわけ。手とか首とかバランスがとれなくなっちゃった。それでメイクさんが首すじとか全部ぬっちゃったんだよね。夏に多少日焼けしてないとバランス悪いですネ。

ファンクラブ会報「GORO CLUB」1987.08 VOL.13 より抜粋