生年月日は昭和31年2月23日。
岐阜県美濃市常盤町でホンギャーと産声をあげて、木曾の御岳山を背景に、長良川で産湯を使った、玉のような男の子でありました。世の中の汚れを何も知らないような美しい瞳をしていたって言うけれど、生まれたばかりの赤ん坊だもの、当たり前だよね。

岐阜県の美濃市ていうのは、あの有名な斎藤道三の地でね。僕も生まれたのが戦国時代だったら、天下を狙う紅顔の若武者になっていたはずだよね。

父上はお上のご用をあずかる公務員、姓は佐藤、名は進。妻、伊代子、つまり僕の母上でありますが、その間に生まれた僕を靖と名付け6つ違いの僕の兄、寛ちゃんと共に蝶よ花よと育てられたのであります。

実は、僕はちいさい頃「靖」という名前じゃなかったんですね。親戚一同が集まって「なおき」という名前に決まっていたのだけど、親父が「靖」という名前で届けを役所に出してしまったのです。それを親父は誰にも言えなくて、みんなから「なおきちゃん」って言われてました。親父が本当のことを言ってくれるまで、僕は「なおきちゃん」だったわけです(笑)

(談・野口五郎/FC発行写真集「GORO3・旅」&テレビ出演時の談話より)