キャッチフレーズ「青い木の芽の肌ざわり」
キャンペーンでね「博多みれん・野口五郎」という襷を肩からかけて、レコード店やスナックにレコードを持って売り込みに行くんだけど、酔っ払いのおじさんに「うるせぇ!」って頭からお酒をぶっ掛けられた事もあるし、スナックのお姉さんが「まだ子供なのに可愛そうに」ってレコードを買ってくれた事もあった。年齢を偽ってキャバレーやストリップ小屋でも歌った。辛かったけど、いろんな事を勉強した時期だったと思うね。
NHKに出るには審査があって、毎回毎回、受けるのだけど、これが毎回毎回、落っこちるんですよ。だってお堅い事で定評のあるNHKでしょ。まだ15歳の子供がね「恋を拾って また捨てて・・・」なんて歌ったら、それだけでカーンですよ。最後まで歌わせてもらったことは無かったですねぇ。
この頃に一番辛かったのは、おかぁちゃんに嘘をついてた事。仕事から帰ると「やっちゃん、今日はどうだった?」て聞かれるから、適当に「今日は北海道で爆発的に売れてて、レコードのバックオーダーが何枚来たよ」とか、毎日毎日、とっかえひっかえの嘘をついてた事があるんだ。今、思えばもう笑い話だけどね・・・・。
(コンサート中の本人の思い出話より)