12.21 (A) GORO & HIROSHI 2 時にはラリーカールトンのように

アルバム Goro & Hiroshi 2 ~ときにはラリーカールトンのように~

1976年(昭和51年)12月21日発売  MR3040
GORO&HIROSHI 2 / ときにはラリー・カールトンのように
詳しくはディスコグラフィーにて

(ファンクラブ会報「五郎」第17号 昭和51年12月25日より抜粋記事)

まずタイトルを見ていただきたい。
御存知の通り、兄弟アルバム第二作目のタイトルである。
この会報の届く頃は、諸君の耳にも、達しているはずであるが、順を追って、曲の解説及びエピソードを紹介してみようと思う。

■「ときにはラリー・力-ルトンのように■
この曲、五郎君がラリー・カールトンというギターリストを尊敬しているという事で、麻生氏に作詞していただき、ギターをフューチャーした、クロスオーバー風に、という五郎君の意見でできあがったものである。もちろんギターソロは五郎君自身であり、カールトンのフレーズを加えながら弾いている。エッ?イントロが何かに似てる? そんな事は気にしないで聞いてみよう。

■K君へ■
この曲は、五郎君が、ファルセットの部分を使った曲を一曲。ということで、作られた曲。

■多摩川■
この曲は、及川氏の詞の世界を重視した他。この時の五郎君は風邪で入院する前にボーカルのレコーディングがされたもので、少し声をしぼっているが、一生懸命歌ってた。

■ロサンゼルスに雨は降らない■
五郎君の作曲したこの曲、イントロを聞いていただきたい。まずラリー寿永氏のコンガソロから始まり、岡沢氏のリズミックベースが加わって、イントロのメロディーに入っていっているが、これは、五郎君が考え出したフレーズである。しかとお聞きを。

■透きとおった世界■
この曲、ここだけの話だが、ちょっとしたエピソードがある。絶対に人に言わないでほしい。この曲佐藤氏が編曲した時点では、ロサンゼルスに雨は降らないと同しテンポであったが、五郎君の考えでは、もっとゆっくりのはずであった。これは五郎君と佐藤氏それにゴロースペシャルのバンドの方々色々話し合った結果、そのままをリズムだけかえて、行なわれたのである。そして、話し合いの時の熱っぽさがそのまま残り、コーデー(後奏)が長々と続き、フェードアウトするはずが、お聞の通りの結果になったのである。ここでのギターソロも、五郎君である。

■「あしたのジョー」以後■
ジャズっぼい曲も一曲やってみようと言う事で、作られた曲。

■少し太ったかもしれない■
この曲、イントロから順々に編曲も一緒にできたそうである。

■知人岬■
この曲は、言うまでもなし、例のごとく。

■ユートピア牧場にて■
この曲のディレクターは五郎君である。イントロ、間奏のシンセサイザーは佐藤氏が弾いているが、音色を決めたのは、五郎ディレクター、佐藤氏は五郎ディレクターに「そこはもっとゆっくり」とか「そこからは一気に」とか「そこはノーリズム風に」とか言われ、額に汗をかきながら弾いていたのがお面白かった。五郎君がギターを弾く時と反対の立場になった為に、ニヤニヤしながら、し返ししてるみたいにも見えた。

■髪■
ラストナンバーのこの曲は、五郎君の力作。これもコーダが、のびにのびた感じである。エンディングの方法は五郎君のアイデアの為に、テープ処理も、自分でやることになったものである。とくとおききを。

一曲ずつの説明は終ったが、五郎君のギターソロは六曲である。それに、五郎君の意見も大幅に入ってミキサーとディレクターの代役も経験し、これこそ本当の意味での兄弟アルバムであると、我輩は感じた。それに、ギタープレイをしてる時の五郎君の顔も良かった。自分で一つの世界をつくリ、それに入り込んでいる顔である。そして、それに他人をも、吸い込みそうな。これは、スタッフの間で評判になった。諸君、このレコードを聞く時ボリュームをフルにして、聞いてみてくれたまえ、必ずその時の雰囲気を理解していただけることと思う。ただし、家の人及び隣の人にうるさいと、怒られようと、当局は一切関知しないから、そのつもりでいてもらいたい。

参考資料
◎五郎使用ギター/ギブソン331、ギブソンレスポールデラックス。53年モデル
◎ギターアンプ/フェンタ1、ビアロチヤンプ、フェンター、ツインリバープ、マーシャル、ソリッドステート100ワット
◎使用シンセサイザー/アープ、プロソロイスト、ムーグシンセサイザー
◎ゴローズスペシャル(レコーディング参加者)
ドラム/田中清司
ギター/矢島賢
ベース/岡沢彰
ラテン/ラリー寿永
ピアノ/栗林 江藤 大谷