ボクが20才になる。大人ということばは、わからない。ただ今いえるのは、僕の選んだ道は僕が歩こう。
壁の前にひとりの男がいる。
真黒い壁だ。とっても厚そうだ。壁の向こうはきっと、果てしない空と、明るい光が満ちているんだ。
希望の泉も緑の樹も・・・
人々の笑い、やさしいささやき
なのに何故、何時間も何時間も壁に触れることができない。
ただ頭をかかえてすわり込んでいる。
だめだ次の扉を探そう、容易に片手で開く扉もあるはずだ。そこにだって、ある程度の幸せがあるはずだ。きっとそっちの方が僕には似合ってる。
だけど、やっぱりそんな妥協はできない。なぜなら、この道は僕の選んだ道だ。
何年かかっても
風の音がきこえてくることろまででも、熱が伝わっているところまででも、近づけるまでこの道を行こう。小さなピックで、コツコツ、つついてみよう。ずーっと掘り進もう。くだけたかけらを握りしめ、一歩でも近づくとうれしい。
そう、そんな男だ僕は。
ポッコリあいた光の窓
あまりのまぶしさに戻ってしまうかも知れない。でもきっと、また近づくんだ。
おそるおそる、のぞいて、天を見上げ、地に目を落とす。
天の高さを知ると、疲れた体もいとわないで、また天に近い山をめざして登りはじめる。
そんな男だ。
ずっとそんな男でいたい。