- ALL OF ME
- SUMMER TIME
- AS TIME GOES BY
- TRUE LOVE
- LOVER,COME BACK TO ME
- フライトボード
- 愛さずにいられない
- 涙のチケット
- 針葉樹
- 陽のあたる街
- ストレンジャー
- フリーアゲイン
- されど青春
(ファンクラブ会報誌 GORO CLUB Vol.32より)
舞台はニューヨークのJAZZクラブ「ブルージャック」。JAZZシンガーとして、クラブのステージに立つ五郎君。オープニングはNEW CD 「ALL OF ME」の中から「ALL OF ME」。黒スーツに黒いサングラス。今流行のちょっと派手めで渋いベストを中に決め、ギターをひく姿は本場ニューヨークのワルな異邦人のよう。一曲御披露した後、会場の方々を「ブルージャック」のお客様にみたてて挨拶。今日も日本からの団体さんでいっぱいとか・・・。でもカタコトの日本語でしゃべっている五郎君もJAZZシンガーを夢見てニューヨークに来たハングリーな日本人。
客席に降りてお客様と会話。一人の女性をみつけて質問、ギャグを飛ばしながら一緒にステージ上でカラオケを歌いましょうと誘い、いざ連れて行こうとしたら、元々照れ屋の女性だったのか逃げてしまいました。いつしかステージはエンディング。曲は同じCDの中から「SUMMER TIME」。ショーが終わり「ブルージャック」の閉店時間。明日やる新曲を練習しようという事になり、「AS TIME GOES BY」。思わず名画の「カサブランカ」のワンシーンが出てきそう。ステージそでから拍手と同時にさっき客席にいた女性が・・・・。
何とさくらだったのです。彼女はブロードウェイを目指す役者の卵ですが、オフブロードウェイのオーディションも落ちてしまい自信喪失。日本へ帰ろうとする彼女を優しくなぐさめる五郎君。一緒に部屋で飲もうという事になり仲良く地下鉄で・・・。この地下鉄の中でつり皮をつかまりながらのギャグは天下一品。こざっぱりとした五郎君の部屋で赤ワインをさしつさされつ(当然、ギャグも盛沢山)そして、彼女が手にしたJAZZの本の中から覚えようとしている「THE MAN I LOVE」この2人の間に恋愛感情があるのかないのか・・・ 又、舞台は「ブルージャック」バンドによる「A列車で行こう」はJAZZファンなら知らない人はいない程のスタンダードナンバー、クラブ内はさらに盛り上ります。そこへギンギラギンの衣裳を身につけた(ちなみに蝶ネクタイも銀)五郎君登場。
「地味ですか?」の言葉と同時にジャケットを脱いだら、リバーシブルの裏側はもっと派手なキンキラキンの金(ちなみに蝶タイも金に)衣裳も決ったところで、歌うは「TRUE LOVE」彼女とのとろけるようなデュエットは客席のため息を誘います。甘さの後はソロになり、アップテンポの「LOVER COME BACK TO ME」
クラブの閉店時間、舞台は飛行機の飛び立つ音と共に「フライト・ボード」のイントロ。シックなシルバーグレーの衣裳にギターを持ち、野口五郎として登場。2曲目は春のLIVEで好評をはくした軽快なノリがここち良い「ストレンジャー」。
ここで得意のトーク、初挑戦のJAZZアルバムのレコーディング時の苦労話や、いろいろなスタンダードジャズの紹介などバックの演奏を交えて進んで行きます。JAZZをおすすめしてもまず何から聴いたらいいのかわからない方々に、さり気なく「ALL OF ME」をアピール。話は次から次へと変わり、歌謡曲のリメイクに及んで「僕も50数曲出していて名曲もいっぱいあると思うし、いつかは誰かがリメイクして歌ってくれるんじゃないかと、待っているけど、誰もやってくれる気配すらないので自分でやります」との事で、「愛さずにいられない」「涙のチケット」を新アレンジで熱唱。「涙のチケット」では先ほど「TRUE LOVE」を一緒に歌った彼女がバックを務めここで初めて紹介。 レ・ミゼでも共演した阿知波悟美さん、彼女とは「ザ・ミュージックマン」から一緒で、とても気が合う親友とか。
今まで聞くことの出来なかった共演者だけが知っているレ・ミゼの裏話とか食事の話とか。客席は休む暇がない程笑いっぱなし。阿知波さんの物まね(水前寺清子など)が出てきたり、2人のドラマ出演の時の話など、盛り上る盛り上る。
ここのトークがこれ程長くなるとは思わなかった程、良くしゃべった後は、これも懐かしい「針葉樹」「一人が好きですか」。
行ってしまった夏、そろそろ秋にも別れを告げなければいけない今の季節の中で、季節の移りかわりの早さに驚いている皆さんに、名曲「フリーアゲイン」。夏をあっという間に通り過ぎてしまったいたずら小僧とすると、秋は女性のまばたきぐらいの早さかもしれません。そんな短い秋に皆さんぜひステキな思い出を作って下さい。この言葉をかけて曲は10数年振りの「されど青春」。
客席に降りて、一言一言、歌詞を噛みしめるように歌います。以前10代の頃の「されど青春」と30代と、いつの時代でもいい曲は新たな感動を呼びます。きっとその頃の思い出などが駆け巡ったことでしょう。
アンコールは「スマイルアゲイン」五郎君のギターも増々さえて客席を魅了。淋しい曲で終るのも何だからと、「陽が当たる街」もおまけです。
千秋楽では、場内アナウンスが入った後も拍手が鳴りやまず、JAZZコーナーで出演の女性2人をパーカッションに加え「HELP THE POOR」「新宿午前4時」を更におまけして、エンディング。 しかし、その後も拍手が延々と続き「ストレンジヤー」をやろう」と言う五郎君の一言でメンバーも五郎君も私服に着替えていたのですが、すぐステージ上へ。客席全員総立ちで、のりにのりまくりました。
聞いたところによると、五郎君の私服のスーツも背中まで汗びっしょりだったとか。 90年春も又、大勢の皆さんとノリにノリたいですネ。春をお楽しみに。
余談
博品館劇場に来ると、きまって食事は「璧の穴」のスパゲティー。それも「あさりとしめじのジンジャー味」今回ももちろん例外なく、バンドのメンバーと共に凝りましたネェ。それをすっかり察知している「壁の穴」のコックさん。博品館の社員用エレベーターの中で劇場関係者に一言。 「今日から五郎さんのコンサートですネ。いつもよりたくさん、あさりを仕入れておきましたからと五郎さんに伝えて下さい」と二ッコリ。楽屋中大爆笑でした。食事はスパゲティーとくれば飲み物は何でしょう? それは栄養ドリンクでした。ビールもジュースも冷えているのに、出演者が手にするのは、ユンケルとかリゲインとか、リボDスーパーとか。 体を気づかう年頃なのでしょうか。