04.21 (S) 哀しみの終るとき

哀しみの終るとき/雨の別離

1975年(昭和50年)4月21日発売 DR1925
哀しみの終るとき / 雨の別離
詳しくはディスコグラフィーにて

ファンクラブ会報「五郎」第12号 昭和50年5月発行より抜粋

2月25日に一度レコーディングしました。でも、映画、テレビ、ステージと続き 一番喉の疲れている時でした。 どうしても五郎君の納得のいく魅力ある声が出ません。何度も何度も、筒美先生やスタッフそして山上先生が真剣にとり組んで、一時間、二時間、三時間。五郎君も、詩の心をつかむのに悩み、ねばりました。でも結局3月15日にレコーディングし直したほどの力のこもった曲です。

4月11日、オリコン(オリジナルコンフィテンス)の表彰式が行われました。五郎君も「私鉄治線」の作曲者であるお兄さんの佐藤寛さんも、立派な賞に感激の一日でした。そこでひとことお願いしました。

みなさんコンニチハ。それではさっそく新曲のことから・・・・
今までなかったけど、こんどの「哀しみの終るとき」っていうのは、すごく一位を意識してるんだ。

なぜって、今まで僕は、賞に縁がなかったんだけど、大賞とかそういうのは極少人数の人が決めるものでしょ。でも、オリコンで一位になるっていうのは、多勢の人がレコードを買ってくれてることだと思うんだよね。今まで芸能界で三曲続けてトップに立った人っていないんだ。僕はそれをやってみたいんだ。

それに、この曲自体僕はとても好きなんだ。だから、この曲以後はきっと一位は意識しないと思う。今、レコードを買ってくれる人っていうのは、詩の内容とか、歌の良い悪いを知って、買ってくれる人が多いと思うんだ。たとえば、今流行してる曲、みんなも知っていると思うけど「二十二才の別れ」とか「我が良き友よ」とかね、ああいう曲っていうのは一回聞いていいというより、何回か聞いていると、増々良くなるみたいな曲だと思うんだ。

僕の曲で「こころの叫び」とか「告白」より、「甘い生活」「私鉄沿線」がヒットしたっていうのはそれだと思う。僕「私鉄沿線」のこと、本当にのって唄えるようになったっていうのはネ、つい二、三週間前なんだけどネ。突拍子もなくいい歌だなぁって。

信念というか、僕なりに考えて地道にやるっていうのが、僕のやりかたなんだ。でも、地道にやる中にも、何か冒険が必要だと思う、今度の曲は、かなりの冒険だと思う。

「哀しみの終るとき」は、ワルツなのね。今、ワルツの曲は、見直されたみたいに多いけど、僕のワルツは、ハイ・テンポのワルツだから、みんなには聞きやすいと思う。だけどこの曲はテレビでは、すごくやりにくいんだ。なぜかっていうと、バンドの編成がむずかしいんだよね。マンドリンとか、バックの編成が少ないから。だからこの曲はテレビではなくラジオやレコードで、聞いてもらいたいな。僕、自分の歌に嘘をつきたくないんだ。だから「甘い生活」の時も自分が納得いくまで、書き直してもらったし。

そういう面でも、今度の曲は、僕は嘘をついてないと思うし、この曲って、僕にあった曲だと思う。今の僕って、すごくむずかしい時なんだと思っている。自分では、無理に大人に脱皮しようとは思ってないけど、まわりから、五郎は大人になったとか、まだ五郎はアイドルなんだとか、半々に言われて、アンバランスな時だと思う。そんな時にこの曲を出すっていうのは、すごく突っ張っているみたいだけど・・・。

でも、たぶん夏ごろには、イメージを、ガラッと変えて若々しい曲を歌うかもしれない。僕は、歌のことはもちろん他の何でも知っておきたいんだ。でもまわりの人には、歌以外の事は知らなくてもいいっていわれるけど。僕は仕事を惰性でやりたくない。だから細かいことでも知っておきたい。次の日の飛行機の時間から座席の番号までね。細かすぎるとは思うけどタレントていうのは何も考えなくていいと思われる。僕は、そういうのはとてもいやなんだ。だからプロの歌手として仕事にしろなんにしろ、曖昧なことはしたくない。一つ一つのことを慎重にやっているつもりだし、これからも一生懸命に頑張りたい。

話しはショーの事に変わるけど、国際が終って、次に大きいショーっていうと、縦断コンサートだけど、内容は、国際の時のように、自分の好きな歌を聞いてもらうほかに、今度は、今までとは違う、例えば佐藤靖と野口五郎の境を歌ってみたいなあ。小さい頃からの自分のことを、長い歌にしたり、もしかしたらかなりショッキングなものになるかもしれないけど。

僕はね、よく人に聞かれるけど五郎君は、15の時から芸能界に入って青春がないんじゃないかってね。でも、僕にも他の人とは違った青春がある。自分の好きな歌を力の限りに歌っている今が、僕の青春なんだと思う。自分の青春に自信をもっているんだ。僕を応援してくれているファンのみなさんも、僕を応援しているその気持ちと、燃える心がある今がみなさんの青春だと思う。よくお母さんや友達に、いつまで「五郎」「五郎」言ってるの、いい加減にしなさい。とか言われると思うけど、そんな時には、胸を張って「今、私は素晴らしい青春を送ってるんだ」って言ってほしいですね。僕も力いっぱい青春を送っているんだから。ナンテいうのはどう?

※寺岡さんや安田さんが迎えに来ました。あと五分、三分と言って話してくれた五郎君でした。萩本欽一ショーの録画に出かけました。

考えながら確実な口調で話す五郎君でした。
嘘を唄いたくないという五郎君。この点でフォークのシンガーソングライターにひかれているという五郎君。そう言えば彼の尊敬する長谷川きよしさんもそうである。演歌からロックまで歌い私たちを魅了する五郎君。これから、どんな歌手へと成長するのでしょう。